スラグリードSR工法
なぜ、施工者である私たちが塗料を開発したのか
1. 概要・特徴
鋼構造物の要である鉄に適切なケアを行えば、長期にわたって使用することができます。
耐久性向上のためには、下地処理の精度が重要ですが、現状としてブラスト処理は施工上の制約が多く、手工具や電動工具によるケレンが一般的です。
その結果、さび層が残り、耐久性を確保できない、塗替えを重ねるたびに劣化が早くなる、といった問題が起こります。
施工者である私たちは、この錆の連鎖をとめるためには、①錆の凹凸を凌駕する厚膜の塗装にすること、②錆に作用する防錆効果を有することが必要と考えました。
これを解決するのが、アルカリ雰囲気を持つ高炉スラグ混合セメントと鉄筋防錆で実績のある特殊防錆剤(亜硝酸塩)です。
2. 構成材料
-
①アルカリ粉体
(高炉スラグ配合)アルカリ雰囲気
鉄鋼業の副産物である水砕スラグを利用した高炉セメント含有。
塗膜中をアルカリ雰囲気にすることで錆にくくする。 -
②特殊防錆剤
自己修復機能
価格の高騰の著しい亜硝酸Liではなく、亜硝酸Caでの適用技術を確立している。
-
③特殊変性合成樹脂
エマルジョン付着強度
アルカリ粉体と防錆剤のバインダーとして採用。特に亜硝酸塩を融合させる技術を持っている。
- 混練
-
pH13のペースト状
3. 防錆メカニズム
- 反応推定図
-
亜硝酸塩による赤錆の還元作用
- 水溶液中の鉄(錆)の観察
-
アルカリ雰囲気にある亜硝酸塩は防錆効果が向上することを確認しています。
- スラグリードSR中塗の機能
-
※横スクロールで確認できます
4. 工期短縮を可能にし、さらに環境にも配慮
スラグリードSRは水系塗料のため、塗り継ぎ時間の短縮により、最大1day3coatが可能です
スラグリードSR工法
素地調整:3種ケレン/高圧洗浄
- 1day3coat
最短工期
2日間 - 工期
短縮効果
- スラグリードSR下塗 1層
- 塗装間隔:指触乾燥2時間(20°C)〜
スラグリードSR下塗 2層 - 塗装間隔:指触乾燥2時間(20°C)〜
スラグリードSR中塗
塗装間隔:16時間(20°C)〜 - スラグリードSR上塗
従来塗装
素地調整:2種ケレン
- 1day1coat
最短工期
4日間
- 変性エポキシ樹脂塗料 1層
- 塗装間隔:10時間以上〜
変性エポキシ樹脂塗料 2層 - 塗装間隔:10時間以上〜
変性エポキシ樹脂塗料 3層 - 塗装間隔:24時間以上〜
ウレタン樹脂塗料
さらに、スラグリードSRは水系塗料、弱溶剤系塗料を使用のため、VOCの低減が可能かつスラグを使用し環境配慮した維持管理を実現できます。
- 塗装方法
-
すべての施工方法が可能
5. 塗料種一覧
※横スクロールで確認できます
商品名 | 塗料種 | 荷姿(kg/set) |
---|---|---|
スラグリードSR下塗AE | アクリル樹脂系エマルジョン | 38, 19, 4 |
スラグリードSR中塗EP | 弱溶剤エポキシ樹脂塗料 | 20, 4 |
スラグリードSR中塗GE | 無溶剤系柔軟形エポキシ樹脂塗料 | 15, 4.5 |
スラグリードSR上塗HG | 弱溶剤ポリウレタン樹脂塗料 | 18, 4 |
スラグリードSR上塗TF | 弱溶剤フッ素樹脂塗料 | 16, 4 |
このほか、オール水系仕様や公共工事向けの仕様、支承部向けの仕様などがあります。
詳しくは、お問合せください。
6. 塗装仕様
※横スクロールで確認できます
仕様 | 高耐久性仕様 | 標準仕様 | 薄膜仕様 | 無溶剤仕様 | |
---|---|---|---|---|---|
下地処理 | St-2 3種ケレン程度(浮き錆、コブ錆は必ず除去) | ||||
1層目 | 名称 | スラグリードSR 下塗AE |
スラグリードSR 下塗AE |
スラグリードSR 下塗AE |
スラグリードSR 下塗AE |
塗料種 | アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
|
標準塗布量 | 500 g/m2 | 350 g/m2 | 500 g/m2 | 500 g/m2 | |
塗膜厚 | 180 μm | 125 μm | 180 μm | 180 μm | |
2層目 | 名称 | スラグリードSR 下塗AE |
スラグリードSR 下塗AE |
スラグリードSR 中塗EP |
スラグリードSR 下塗AE |
塗料種 | アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
弱溶剤形 変性エポキシ樹脂塗料 |
アクリル樹脂系 エマルジョン塗料 |
|
標準塗布量 | 500 g/m2 | 350 g/m2 | 200 g/m2 | 500 g/m2 | |
塗膜厚 | 180 μm | 125 μm | 60 μm | 180 μm | |
3層目 | 名称 | スラグリードSR 中塗EP |
スラグリードSR 中塗EP |
スラグリードSR 上塗HG |
スラグリードSR 中塗GE |
塗料種 | 弱溶剤形 変性エポキシ樹脂塗料 |
弱溶剤形 変性エポキシ樹脂塗料 |
弱溶剤形 ポリウレタン樹脂塗料 |
無溶剤形 変性エポキシ樹脂塗料 |
|
標準塗布量 | 200 g/m2 | 200 g/m2 | 120 g/m2 | 150 g/m2 | |
塗膜厚 | 60 μm | 60 μm | 25 μm | 100 μm | |
4層目 | 名称 | スラグリードSR 上塗TF |
スラグリードSR 上塗HG |
||
塗料種 | 弱溶剤形 ふっ素樹脂塗料用上塗 |
弱溶剤形 ポリウレタン樹脂塗料 |
|||
標準塗布量 | 120 g/m2 | 120 g/m2 | |||
塗膜厚 | 25 μm | 25 μm | |||
合計塗膜厚 | 445 μm | 335 μm | 265 μm | 460 μm |
- 本使用内容は標準仕様で予告なく改訂することがあります。
- 塗装方法は吹き付け、刷毛塗り、ローラー塗りが可能です。
- 本工法・材料については販売登録社のみへの販売とします。
7. 施工実績
屋外コンベア架構
約6年経過後の状態
8. 登録・認証
- 国土交通省 新技術登録(登録番号:QS-160013-A)
- 首都高速道路 新技術登録
- 福岡県 新技術・新工法活用促進制度(登録番号:2301003A)
- 北九州エコプレミアム 平成26年度いちおしプレミアム認定
スラグリードSR工法