スラグリードSR-F工法
コンクリートの剥落は、社会問題に⇒かぶりを復旧しない新発想の工法!!
1. 概要・特徴
高炉スラグセメントを使用し、亜硝酸塩を塗膜中に含有することを可能にしたスラグリードSR下塗(NETIS QS160013-A)の発展技術です。
凹凸の大きいコンクリート表面での使用を想定し、厚付による塗膜の割れや反りを防止するため、靱性を持たせる工夫を施しています。セメント系材料と塗料材料の利点を併せ持ちます。
防錆効果を持ったセメント系の材料であり、溶剤使用を低減した環境配慮型の材料です。
コンクリート構造物の劣化や、建設当初からのかぶり不足・塩害等により、鉄筋の腐食が進行することで、コンクリートが剥落し、第三者被害が起こることが問題となっています。
「ポリマーセメント等による断面修復工法で断面復旧をする」という現行法について、
- 再爆裂・再劣化による剥落の可能性
- 工期が確保できない(施工が難しい)箇所があること
- 小面積での発生に対し、予算や工期の優先度をつけられない
といった課題の解決を目的としてかぶりコンクリートを必要としない、厚付型高炉スラグ混合セメント系防食材を開発しました。
- 本工法は、現状、鉄筋腐食に対する応急措置の位置づけです。
- 強度を復旧する機能は有しません。応力のかからない箇所の使用を推奨しています。
2. 概要図
SR-F工法 概要図
特徴
- 再劣化・再爆裂の一因となる鉄筋の腐食を抑制
- 対コンクリート、対腐食鉄筋にも付着性を有する
- 塩化物イオンや大気中の二酸化炭素等の外部因子の侵入を防止
3. 施工仕様
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工程 | 仕様 | 材料種 | 使用量 (kg/m2) | 使用方法 |
---|---|---|---|---|
(1)下塗 | スラグリードSR-F浸透剤 | 亜硝酸塩含有浸透固結含浸剤 | 0.2 | 刷毛・ローラー・スプレー |
(2)中塗① | スラグリードSR下塗AE | 高炉セメント含有 アクリル樹脂系防錆塗料 |
0.5 | 刷毛・ローラー・スプレー |
(3)中塗② | スラグリードSR-F | ポリマーセメント系厚膜塗料 | 2.0〜6.0 | へら・コテ |
(4)上塗 | スラグリードSR中塗GE | 無溶剤形エポキシ樹脂塗料 | 0.28 | 刷毛・ローラー・スプレー |
4工程で、鉄筋を保護
第三者被害のリスクを軽減可能
- 施工イメージ
-
鉄筋のリブや節が隠れるように厚付けでしっかり付着させます。
4. 促進試験結果
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塗装工程 | 塗料名 | 塗布量 (g/m2) |
---|---|---|
下地処理工 | 3種ケレン程度 (浮き錆・こぶ錆の除去) |
― |
下塗塗布工 | 亜硝酸塩系浸透剤 | 200 |
中塗塗布工① | 高炉スラグ 混合セメント系防食塗料 |
500 |
中塗塗布工② | 厚付型 高炉スラグ 混合セメント系防食材 |
6,000 |
上塗塗布工 | 無溶剤形 エポキシ樹脂塗料 |
280 |
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(1) 腐食促進試験 乾湿繰り返し試験
(70°C, 90% 48時間 ⇒ 15°C, 60% 48時間)× 15サイクル
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(2) 亜硝酸塩の浸透性確認試験
切断面を呈色(深さ、RGB値)
呈色液:トルエン-2,4 ジイソシアナートを50wt%にトルエン溶液で希釈
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鉄筋の裏側まで呈色され、浸透効果を確認しています。
5. 施工フロー
- ①着工前
- ②素地調整
- ③スラグリードSR-F含浸剤
- ④スラグリードSR下塗
- ⑤スラグリードSR-F
- ⑥スラグリードSR中塗GE
- 完了
6. 施工実績
施工6年経過後も、顕著な発錆も無く、良好。剥落の危険も回避できている。
7. 登録・認証
- 福岡県 新技術・新工法活用促進制度(登録番号:2301004A)
スラグリードSR-F工法